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【第二部 希少魚類の保全策を考える】



(2) 希少魚類の系統保存の方法と問題点
酒泉 満(新潟大学理学部)

◆ メダカ
この種は北日本集団、南日本集団、東韓集団、中国・西韓集団という遺伝的に明瞭に区別できる4つの基本要素から成り立っている。さらに、北日本集団と南日本集団の雑種を起源とする集団が存在するほか、同一集団内にも多様な地域差が認められる。これらの地方個体群間の交配は自由に行うことができることから、人為的な遺伝子移入が問題となる。
ミトコンドリアDNAのチトクロームb遺伝子の塩基配列を日本産メダカについて比較したところ最大11.8%の違いが認められた。こうした変異を簡便に検出するための方法としてPCR−RFLP法を用いた手法を開発した。この方法により、現在までに64の型が認められ、それらの分布パターンは地形と高い相関を示したことから、地方個体群の判別に有効であることが分かった。 関東地方においては、アロザイム変異、ミトコンドリアDNAの変異に関して著しく大きな多様性を示す遺伝子が認められた。この原因は、本来の変異の存在と人為的な遺伝子移入の結果であると解釈される。

◆ ホトケドジョウ
この種は青森県を除く東北地方から近畿地方にかけて分布するが、その地理的変異についてはまとまった報告がなかった。アロザイムとチトクロームbの変異を調べたところ、南関東、北関東、東北太平洋側、越後、東海、近畿の6型が認められた。また、チトクロームbの塩基配列の違いは最大16%に達したばかりでなく、大部分の地点で固有の変異型が存在することも明らかになった。これらの結果は希少淡水魚の系統保存において、種内の変異を考慮することの重要性を示している。どうすれば種内の遺伝的多様性を保存することができるのか、放流をどの程度まで許容するのかなど系統保存の方法について充分な議論を要する問題点は多い。



 
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