ブラックバス
 
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三多摩地区のとある学校の出来事〜ブラックバスを密放流されました

 
   
 
 


9月17日(火)、ぼくの勤務する小学校で、5年生の「釣り大会」がありました。
場所は、学校のすぐ目の前の河川敷にある小さな池です 拙著「○○川でフナを釣る」にも登場している、すてきな池です。
この池は、木立ちに囲まれた、広さ500平方メートルほどの池で、去年(2001年)から、草刈りや遊歩道作りを行い、学校の環境教育のフィールドとして整備してきました。
河川を管理する国土交通省の出張所と、漁業権を持つ地元の漁協に許可をもらってのことです。
もともと、フナやドジョウ、ザリガニなどが生息していましたが、「総合的な学習の時間」に子どもたちが魚釣りを楽しめるように、ぼくが、マブナやモツゴなどを釣ってきては放流し、今年は繁殖も確認できていました。
今年の夏は、草刈り機を使って、何度も、遊歩道の確保(何しろ、オギやブタクサ、イバラが茂って、以前は夏になると池にはとてもたどり着けないほどだったのです)に汗をかきました。


先生に取材しているところ
今年の春、近くで枯れ草火災が起きたときには、この池の水が消防ポンプで放水され、水位が半分くらいにまで減ってしまい、このまま大雨が降らないと、夏には干上がるのではないかと心配しましたが、7月の台風で、池の水が遊歩道にあふれるほど増水し、学校職員一同を安心させました。 
2学期に入り、5年生の担任が、「総合の時間に釣り大会をしたいんだけど、魚は釣れるかな?」と聞くので、ぼくは久しぶりに池で試し釣りをして見ました。
9月11日(水)の夕方のことです。すると、30分ほどの間に10尾ほどのフナが釣れました。ぼくは、これまでの苦労が報われたような気がして、静かな池のほとりで、一人、感激していました。

さて、9月17日(火)、5年生の釣り大会当日です。
今年、音楽のほかに総合の時間も受け持っているぼくは、子どもたち、担任といっしょに、池に行きました。
子どもたちの釣竿は、近所の釣具屋で(もちろん公費で)買った、2mちょっとの延べ竿。
これに玉ウキ、エサは学校の堆肥置き場のミミズです。
この日のぼくは、世話係。子どもたちが釣り始めてまもなく、少し離れた所で歓声が上がりました。
池で釣れた密放流されたブラックバス
でも、その魚を見て、ぼくは心臓が凍りつくような気がしました。
釣れた魚は、15cmほどの、ブラックバスだったのです。そして、次から次へ、釣れる魚はブラックバス。
子どもたちの声がにぎやかな1時間ほどの間に、バスは20尾以上釣れました。
これまで1尾も釣れなかったブラックバスが、です。
大きさは、8cmから16cmほどの未成魚で、ミミズのエサに、どんどん食いついてきました。
さらに、ブルーギルも1尾。楽しいはずの釣り大会が、ぼくにとっては、暗澹たるものになってしまいました。


もう、明らかです。ぼくが試し釣りをした9月11日からこの日までの間に、誰かが密放流したのです。 
魚食性のブラックバスをこれだけ放流されたら、小さな池の生態系はすぐに崩壊してしまいます。
放っておけば、2,3年で、この池はブラックバスだけの池になってしまうでしょう。
たくさん卵を産みに来ているトンボたちの、ヤゴも食べ尽くされ、環境学習の場は、「環境破壊の学習の場」になってしまいます。
釣り大会の最後に、ぼくは、子どもたちに状況を説明し、ほかに釣れた数尾のフナとコイは池に戻して、ブラックバスは、殺して堆肥にすることにしました。
12cmのブラックバスが、ドジョウを食べていた!
それにしても、衝撃です。全国の池や沼、湖で繰り返されてきたブラックバスの密放流が、ぼくの学校のフィールドで起きるなんて……。 
でも、わずかな危機感はもっていました。
この池は、川や他の池とつながっていない閉鎖された水系ですが、すぐ近くの他の池には、すでにブラックバスやブルーギルが生息しているのです。
今までバスが密放流されなかったのは、バスマニアがこの池の存在に気づいていなかったからかもしれません。何しろ、これまではこの池に行く道がなかったのですから。
そして、学校の子どもたちが道を作り、ぼくが池の周囲の草刈りを行い、フナを放流し、環境整備がほぼ終わったそのときに、バスは放たれたのです。
このままにしておくわけには行きません。
ぼくは、子どもたちに協力を頼んで、密放流されたブラックバスを、できる限り釣り切ってしまうことを決意しました。釣り大会の翌日から、ブラックバス駆除を開始し、9月末までに、80尾(!)以上のブラックバスと、数尾のブルーギルを、釣りによって駆除しました。
釣れるバスの数は、ぐんと減りましたが、釣り切れなかったバスが来年繁殖したら、大変。いま、長期戦の展望を模索しています。

学校では、9月25日に、池の入口に、「ブラックバス、ブルーギルを放流しないでください」という看板を立てました。
子どもたちにも、このことを知らせています。
ぼくが釣った12cmのバスの腹が異様にふくらんでいたので、ナイフで割いたら、中からドジョウが出てきました。
これをデジカメで撮ってプリントアウトして、職員室前に掲示したら、子どもたちもびっくりしていそれにしても、早く発見できたのは幸いでした。5年生の釣り大会がなかったら、いったいどうなっていたか……。ました。
これは、マブナ。がんばってね!
9月末現在、まだバスは釣れています。9月29日(日)は、夕方の1時間半ほどの間に、フナ8尾、バス2尾が、ミミズのエサで釣れました。夕暮れ時の静かな池での闘いは、まだしばらく続きそうです。

   
 
 
 
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